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CLUB96's interview with Satoshi Takamatsu was an part interview that took place in April 2013. It was uploaded to the Creator's Lounge as the forty-fifth entries.

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――まずは、『バイオハザード リベレーションズ』にどのように関わられたかをお聞かせください。

高松アートディレクター(以下、高松):3DS版に引き続き、アートディレクターを担当しています。『アンベールド エディション』は、前回同様アートディレクター2名でやっておりまして、私と堀アートディレクターで、互いに分担しながらやっていました。

――高松さんはどのような部分を担当されていたのでしょうか。

高松:僕の場合はキャラクターのビジュアルをメインに監修していました。

――『リベレーションズ』は、新キャラクターも多数登場しましたね。

高松:『リベレーションズ』は、『バイオハザード』として恐怖やホラーの表現はもちろんなのですが、もうひとつのテーマとして、水、そして海洋というテーマでひとつの世界観を作り上げています。その中で起こる、”人間のドラマ”も注力したところですね。ですので、今までの『バイオ』シリーズよりも、人間性やドラマ性を出すためにキャラクターを多めに出していました。彼らが『リベレーションズ』の世界を構築していくことになりますので、かなり色の濃い、個性の強い登場人物を意識して作っていました。

――確かに個性的な人物揃いですね。その中でも、ファンや開発チームの間では、女性エージェントのレイチェルの人気が高いようなのですが、彼女についてお聞かせください。

高松:バイオハザード ザ・マーセナリーズ 3Dに収録されていたリベレーションズの体験版をプレイされていた方は分かるかと思うのですが、最初にレイチェルがいた場所には、元々は男性が亡くなっていたんですね。ストーリー上、あの場所にジルたちがもう一度戻ってきて、その死体からアイテムを探すというシナリオになったときに、あまりにもその亡くなったキャラクターにインパクトがなかったんですね。それで、この人に何かしらキャラクター性を持たせてあげなければと思ったんです。そこでどうせなら、もっとホラー要素を加えられないかと考えたときに、「死体が起き上がって襲ってきたら怖いよね」という話になって。そうなると、男性でもいいけれど、女性キャラクターなら幽霊のようなジャパニーズホラー的な怖さも出るかもしれないなと思ったんです。そうして急遽、名前もついていなかった人物をレイチェルというキャラクターに作り替えてみたんです。そうしたら、スタッフが気に入って「ボイスもつけよう」となったんですね。レイチェルは、スタッフの高いテンションというか、”好きパワー”でみるみるああいうキャラクターに仕上がったんですよ。

――ちなみに、レイチェルは髪で顔が隠れていますが……。

高松:ちゃんと顔は作ってあるんですよ。手を抜いているわけではなくて、あえて全てを見せないことで、より怖い方向にユーザーさんの想像力を掻き立てることを狙っています。

――そうですね、想像するほどどんどん不気味に思えてきます。逆に、今回の『アンベールド エディション』では今まで見えなかったところも見えてきたりするのでしょうか。両作品の絵作りについてお聞かせください。

高松:3DS版を作ったときの絵作りのイメージとしては、奥行きを意識していましたね。携帯機なのでどうしても画面は小さくなってしまいますが、小さいからといって画面から受ける情報量が少ないとか弱いというのではなく、画面の奥に情報量を多く持たせるようなイメージです。その中にユーザーを引き込むような絵作りをしようと意識していました。例えば、箱眼鏡という海中を覗き込める道具がありますよね。磯遊びとか、海でよく遊ぶという方はご存じかと思うんですけど、箱の底がガラスになっている、あの箱眼鏡のイメージなんです。ガラスの部分自体はそんなに大きくないんですけど、それをつけて海中を見たときに、海の中がすごくクリアに見えて、海の深さをより実感できるんですね。しかも、海の深いところだと、底のほうは暗くなってよく見えません。『リベレーションズ』でも、そういう奥行きがあって、先が暗くて何だか怖いという表現ができないかなと考えました。初代の『バイオハザード』も曲がり角の先が怖いとか、暗闇の中が怖いというのがありましたよね。3DS版でも、演出方法こそ違いますが、そういう怖さを奥行きを通して表現しています。

――3DS版のじわじわ来る恐怖は、奥行きの演出の妙だったんですね。では、今回の『アンベールド エディション』はいかがですか?

高松:据え置き機でも3DS版と同じ恐怖は出したいんですけど、単純に携帯機の小さい画面のまま大きなテレビ画面へと持ってくるわけではないんです。携帯機が中を覗き込むイメージであれば、据え置き機は映画や絵画のようなイメージというのでしょうか。朝、カーテンを開けたときに光がバッと入って来ますよね。そんな風にテレビの大画面から発する多量の情報を、ユーザーに降り注がせるようなでイメージで絵作りを変えました。そのため、カメラワークやライティングもかなり調整しています。例えば、明るいところと暗いところの差を大きくしたりと、シーンに合わせたライティングを意識してやっています。暗い方が当然怖くなるのですが、恐怖の演出だとしても、ずっと暗いところにいるとストレスにもなりますし、アクションゲームでもあるので、激しく動き回るには暗すぎると辛いというのもあります。でもホラーを押し出すところでは、あんまり明るいと白けた感じになってしまいますよね。ですので、そのバランスには非常に気を遣いました。

――全体的に調整されているのですね。さて、ここからはクリーチャーについてお伺いしたいのですが、『リベレーションズ』の敵たちは造形が独特ですよね。

高松:そうですね。メインの敵のウーズは、立ち位置としてはゾンビとそこまで変わらない生き物ですが、作品のテーマが海ということで、ふやけたところを表現できないかと考え、白くウネウネしたデザインに仕上がりました。他にも、独特なデザインのクリーチャーをいっぱい作れたなと自負しています。僕個人的にも好きなクリーチャーばかりです。スタッフにも磯や深海の生物に興味を持っているスタッフが多かったのも幸いでしたね。皆が元々好きなジャンルだったので、「アンコウのこういうところ気持ち悪いなあ」とか、「イソギンチャクってブヨブヨしててかわいいけど気持ち悪いね、怖いよね」とか言いながら、楽しんで作っていました。ですので、スタッフの”好きパワー”で、軸がブレたり迷走することなくデザインが進みました。結果として、あまりほかのタイトルでは見ないようなクリーチャーも作れたなと思っています。

――中でもとくにお気に入りのクリーチャーはどれですか?

高松:ドラギナッツォという貝のボスみたいなクリーチャーです。ドラギナッツォの最初の構想としては、アワビなどの平たい貝をバケツやいけすの中に入れておくと、重なりあってお互いがくっつこうとするんですけど、それを水から上げたときに貝がバラバラに動きながらもがく、そんなイメージなんですね。その動きはふだん、陸の生活している自分にとってはなかなか見られないものですし、インパクトのある動きだったので、どこかで使いたいなと思っていたんです。それをデザイナーに説明したんですけど、貝が動くとか、バラバラでウネウネ……って言っても、あまりにも象徴的すぎて全然伝わらなかったんです(笑)。僕の中でイメージはあったんですけどね。それを形にするまでにすごい時間がかかりました。デザインができても、動きがちょっと違うとか。でも、他のタイトルではなかなかないプロセスだったので、楽しかったですね。デザイナーに最後まで伝わったかどうかは分からないですけど(笑)。ユーザーの方には、何だかよく分からないものが迫ってくる恐怖を味わっていただければいいなと思います。

――『アンベールド エディション』では、新クリーチャー、ウォールブリスターが追加されるということですが、こちらはどんな敵なのでしょう。

高松:今回の『アンベールド エディション』の制作が決まった当初は、何か新しいものを入れたい、前にできなかったことをやりたいと思ってはいたんですけど、クリーチャーを追加する予定はなかったんです。そうしたらあるとき、デザイナーの一人が「クリーチャーを途中まで作ったんですけど、見てもらえませんか?」って言ってきたんですね。彼はお昼休みを使って作っていたんですよ。それで見せてもらって、「これだ、これやろう!」ってことになり、急遽追加が決まったんです。

――デザイナーさんの愛が勝った結果ですね。そのウォールブリスターにはどんな特徴があるのですか?

高松:海の生物が擬態することをテーマにしています。海の生物の中には、岩や物そっくりに姿を変える生き物がいますよね。身近なところでいうとタコやイカが色が変わったりするのも擬態ですよね。イカとかは擬態するために特殊な細胞を表面に持ってるんだそうです。それと、イカとかタコの軟体性や、形状が変わるところとか、そういう特徴を見た目にも出したいなと。僕自身、そんなアイデアを以前から温めていたんですけど、たまたま愛のあるデザイナーが同じ考えで、そのクリーチャーを”自主制作”してたわけです。ウォールブリスターをよく見ると、海の生物に詳しい方は、いろいろ気づかれるところがあるかもしれませんね。総じて、『リベレーションズ』っぽいね、とか海洋ホラーっぽいねと言われるものには仕上がっているかと思います。

――なるほど。据置機になったことで、クリーチャーが描きやすくなったというのはありますか?

高松:そうですね。細部の表現も大きい画面で見るとインパクトありますので、そこをしっかり表現できるようになったのはデザイナーとしてうれしいところではありますね。画面の解像度は上がっていますが、解像度を上げただけテクスチャーで隠しただけというのでなく、キャラクターのモデリングも作り直しているんですよ。ですので、キャラクターも背景も、かなりリッチになっていると思います。

――ますます期待が膨らみます。では、最後にユーザーの皆さんにメッセージをお願いします。

高松:『リベレーションズ』、そして『アンベールド エディション』は、スタッフが楽しんで作っていて、彼らの”好きパワー”が強いんですよ。ホラー、海、ドラマが好きなスタッフが集まって、ガッとすごいパワーで作り上げたタイトルなんです。それが、遊んだユーザーの方にも伝わると思います。僕らが楽しんでいるように、ユーザーの皆さんも楽しんでいただけたらうれしいです。

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