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CLUB96 interview with Tomonori Takano

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CLUB96's interview with Tomonori Takano was was a two-part interview that took place in late 2012. It was uploaded to the Creator's Lounge as the thirty-fifth and thirty-sixth entries.

Transcript

――まずは読者の方へ、自己紹介をお願いします。

高野友憲アートディレクター(以下、高野):アートディレクターの高野です。『バイオハザード6』では、主に敵デザイン、ライティング担当として制作に携わりました。

――敵といえば、『バイオ6』はクリーチャーの種類がこれまで以上に多彩ですね。中でもお気に入り、あるいは制作に苦労したものはありますか?

高野:本編の登場順とは異なるのですが、制作段階で後半の敵はすべて難産でした(笑)。ネタ切れに陥っていたので。あえて一番を挙げるならば、ジュアヴォでしょうか。紆余曲折経て今の形に落ち着きましたが、複眼の顔のアイデアは国ごとに顔のデザインを考えなくて済みますし、表情もほとんど作らずに済む。バリエーションも考えやすいし、なおかつ、テーマである昆虫にも合っているので、何かとうまく消化できたデザインだと思っています。

――ジュアヴォ誕生にはそういった経緯があったのですね。複眼以外にも、ジュアヴォは倒した際に、ゾンビとの違いが見られますね。ジュアヴォは倒すと光に包まれて消滅し、ゾンビは黒くなってずぶずぶと消えていったと思うのですが、何かコンセプトがあるのでしょうか?

高野:ジュアヴォは基本的に光に包まれて消滅します。コンセプトは”熱”ですね。C-ウィルスの影響で体温が異常に高くなっていき、サナギにまでなってしまうという設定なので、サナギにならない場合は宿主の体が熱に耐え切れず消滅してしまう、というイメージです。また、クリス編では主にシューター要素が強いので、倒して爽快感のある処理を考えていたので、このような演出になりました。反対にゾンビは黒くなって肉塊が消えていきます。コンセプトは”腐った肉”です。もともと死体のようなものなので、肉が腐ってただれ落ちていくイメージです。クリス編と違い、ゾンビが出現するレオン編は、倒した後も後味の悪い印象になることで恐怖を煽れればと考えました。

――消え方ひとつと言えど、シナリオごとの印象までもを考慮されていたんですね。では、その各シナリオのステージ作りについてもお伺いしたいのですが……。

高野:『6』には数多くの異なる舞台が登場します。それぞれのステージで異なった体験ができるように、雰囲気作りに気を遣いました。例えば、中国エリアは混沌として湿り気のある感じ。看板やゴミなど生活感を感じる作りにしました。

――確かに蘭祥は、オブジェクトの作り込みがとても細かいですね。

高野:ええ、中国の雑多な感じを出すのには非常に気を遣いました。現地まで取材に行って、そこで見たものをできるだけ忠実に再現しています。街の看板、雑居ビル内の食べ物や吊り豚など、現地の雰囲気を上手く出せていると思うので、そういった細かい所もじっくり見ていただけるとありがたいです。

――イドニア共和国や、トールオークスについてはいかがですか?

高野:中国エリアと逆で、東欧エリアは無機質で色が少なく、生活感があまり感じられないようにしています。そしてアメリカエリアは、『バイオハザード』らしいゴシックな雰囲気が感じられる作りにしました。同じシナリオやステージの中でも、常に新鮮で新しい驚きが与えられるように考えながら制作していきましたね。

――それぞれのステージは、小規模のチームごとに並行して作られていたそうですが、統一を図るとなると苦労されたのでは?

高野:そうですね、今回はかなりボリュームが多く、関わるスタッフも多いことから、成果物のチェックが細部にまで行き届かなくなるだろうと考えていました。なので、何よりもまずイメージの共有を最優先しました。コミュニケーションやチェックだけでは到底追いつかないので、イメージボードを共通言語に、指針に沿っているかどうかで進めてもらいました。その結果、イメージボードもなんだかんだで百数十枚になっていったのですが。

――そこからあの綿密な背景が生み出されたわけですね。イメージボードが共通言語というのも納得です。そのほか、開発中のエピソードなどはありますか?

高野:そういえば、『バイオ6』チームでは、定期的にチーム全員で自分たちの作ったものをチェックする日があるのですが、クリスマスの時はサンタクロースの帽子をかぶったゾンビを作ってこっそりゲームに出しちゃいましたね。もちろん、その時限定ですけれど。翌年はディレクターの思いつきで、サンタクロースゾンビのケーキまで作りました。

――できることならサンタゾンビを一度見てみたいですね。衣装といえば、主人公たちも場面によって服装が変わっていますね。

高野:物語のシチュエーションの変化を感じてもらいたいので、衣装替えでも雰囲気が大きく変わるようにデザインをしています。ただ、まるで別のキャラクターになってしまっても困るので、キャラクターのイメージカラーや小物などは共通したイメージでまとめました。

――レオンとヘレナの蘭祥での衣装が、『バイオ2』のレオンとクレアを連想するデザインに思えたのですが、これは意識されたのでしょうか?

高野:特に意識していません。今回のレオンには『2』の時と同じく青を使っているので、結果的に『2』のレオンを連想する物になったと思います。またヘレナに関しては、気の強さや行動的な面をイメージして、また青のレオンと比較して識別しやすい赤を使用しています。その辺が多分『2』のときと被ったのかなー、と。



――シリーズファンにとっては、年齢を重ねたレオンたちの姿も新鮮に映ったと思います。経年にともなう変化をどう出すかなど、モデリングで注力されたところはありますか?

高野:レオンは綺麗な顔立ちのキャラという印象があるので悩みましたが、やはり年齢に応じてかっこよく老けていてほしい、という思いもあったため、『4』に比べ、見た目の年齢を上げています。『6』までの期間にも、数々の戦いや任務をこなしているはずなので、そういった経験や、内面的な変化も見てとれるように気をつけました。クリスはBSAAに身を置いており、使命感や部下を預かるという責任から、より厳しい顔立ちになるよう意識しました。ただ、元々は結構優しい顔立ちだったりもするので、怖い顔になりすぎないよう気をつけています。あと、ゴリラに見えないようにとか……(笑)。エイダはいつまでも老けない謎の女という事で、老けた感じなどは出していません。ただ、”若い女性”にはしたくなかったので、落ち着きや余裕みたいなものは感じられるよう調整されています。

――エイダはとくに、大人の魅力を感じさせますよね。成長したシェリーについてはいかがですか?

高野:シェリーは『2』のときはまだ子供でした。『6』では大人になった彼女ですが、姿は違えどファンの方がストレートに「これはシェリーだ」と感じられるよう、『2』のときのシェリーがそのまま成長したようなイメージでデザインしました。内面的にはきっと強くなっているのですが、それでも「守ってあげたい」、と思わせるような頼りなさも残したいと思いました。なので、服装はちょっと弱そうな感じです。青と白を多用しているのは、『2』のセーラーのイメージを継承しているのと、シェリーの純粋さや清潔感を出したかったためです。

――シェリーのEXコスチュームは、まさにそのセーラーですが……。

高野:実はセーラー以外にも、案出しの段階ではかなり奇をてらったものが提案されていました。チームの判断として、その中でも一番まともなものが採用されたと思うのですが、皆、感覚がかなりマヒしていたのかもしれません(笑)。

――もっとスゴいものがあったとは……。ちなみに、高野さんのお気に入りのキャラクターは誰ですか?

高野:個人的に好きなキャラクターはジェイクですね。見た目もややアバンギャルドですが、フェイシャルシステムのおかげで細かな表情が描け、よりいい感じのアウトロー感が出てきたので好きになりました。

――彼の表情や出で立ちはかっこいいですね。ところで、ジェイクは坊主頭なのであまり分かりませんが、レオンやヘレナなどは髪がとても艶々だと感じたのですが。

高野:今回『6』では異方性反射を採用していて、これで髪の毛の艶の表現が豊かになりました。湿気の多いステージ、雨のステージなどではより際立つようにしています。

――ライティングにも並々ならぬこだわりが詰まっているんですね。……では、ここからはデザイン面のお話をお伺いしたいのですが、まず特徴的なガジェットについてお聞かせください。

高野:主人公たちはそれぞれ所属する組織が違いますし、「特別な任務で使うのに一般的なガジェットを持つのはちょっと不自然だよね?」というところから話を始めて、キャラクターの立ち位置や性格、バックボーンを基に設計していきました。レオン、ヘレナ、シェリーに関しては、DSO、USSSに所属していますが、普段は街の中で生活しているイメージが強かったので、現代の民生品からそう遠くない程度のデザインをベースにしました。もし、街中で斬新なガジェットを使っていたら、浮いてしまいますよね。そこから、システマティックに管理・統率された組織が持ちそうな、スタイリッシュでシンプルかつ機能的なデザインを目指しました。

――使う環境も考えてのデザインなのですね。クリスたちBSAAのガジェットはいかがですか?

高野:クリスとピアーズは、対バイオテロ組織BSAAに属しているため、組織から支給されたガジェットという想定です。提供される最先端の技術力を惜しみなく投入されつつも、あらゆる過酷な環境下でも使えるように武骨なデザインにしました。

――たしかに武骨という言葉がぴったりですね。ジェイクの初期のガジェットもカチッとした印象ですが。

高野:ジェイクは恵まれてはいない状況にいますし、性格的にも繊細な最新ガジェットに興味を持たなさそうというのもあって、使っているガジェットも旧式のものであろうという想定がされました。そこで、LEDやLCDなど一昔前の技術をベースに、レトロで重みのあるデザインを目指しました。

――ジェイクがガジェットに興味がなさそうというのは、何だか分かる気がします。対して、エイダは未来的なキューブ型ですね。

高野:エイダのガジェットは、ネオアンブレラという謎の多い組織が開発したものです。ネオアンブレラの”ハイテクノロジーガジェット”というテーマでデザインしています。また、内部の液体は、ウィルスを培養する際に開発された技術を応用したもので、特殊な光で化学反応を起こし、結像させるという設定にしています。

――あの中身は培養に関する液体なんですか。ネオアンブレラの科学力はすごいですね。では、同じく主人公たちの持ち物である武器類についてですが、こちらのチョイスはどのようにされたのでしょうか。

高野:武器に関しては、企画スタッフからの要望に応えながらデザインしました。例えば、アサルトライフル、ショットガンを持たせたいといった要望が来たとして、そのもらったリクエストの中である程度デザインします。そして現在、実際に存在している銃器であったり、ミリタリーアドバイザーさんのご意見などを参考にデザインしました。

――考証に裏打ちされたデザインなのですね。また、武器そのものだけでなく、銃の撃ち方や装填のモーションを始め、体術、イベントなどで目にするアクションもとても見応えがありますね。

高野:ありがとうございます。カプコンは昔からアクションに対して強いこだわりがあります。『バイオ』チームのアニメーターにも例外なくその想いが継承されています。本作では、その想いを注ぎ込めるさまざまな敵やシチュエーションが存在し、表現・演出する機会がたくさんありました。また、今回は人間ドラマにもこだわり、主人公たちの物語をカットシーンという形で表現しています。バトルモーション、シチュエーションごとに演出されたアクション、そして感情を表現した演技。本当に、多様なアニメーションを盛り込んでいます。

――では最後に、ユーザーさんに特に見てほしいところやメッセージがありましたらお願いします。

高野:ゲーム中の絵作りに関してですが、ふと足を止めた時に見える何気ない景色でも、イメージボードのようなビジュアルになるように心掛けて制作しました。戦闘が始まるとそうもいきませんが、できればそういったところも見てもらいたいですね。また、あまり公にはなっていませんが、ロード画面の絵にも秘密が隠されているので、是非注目してください。今回の『バイオハザード6』は歴代で史上最高とも云うべき、壮大なエンターテイメント作品に仕上がっています。皆さん是非楽しんでください!

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