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CLUB96 interview with Yoshiaki Hirabayashi and Tatsuya Kitabayashi

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Transcript

――今回、『バイオハザード HDリマスター』の企画は、どのようにスタートしたのでしょうか?
平林:企画に関しては、北林プロデューサーがスタートした形ですね。
北林:何年も前から、『リメイク版バイオハザードをリマスターしてほしい』という要望は、社内外両方からあったんです。
リメイク版の完成度が高かった分、HD化するにしても、納得の行くものを目指さなければならない。
背景などにも、当時のハードの限界まで情報量が詰め込まれていたので、それがHD化可能かどうか、その技術的な検証を繰り返していました。
平林:そして検証の結果、やっと納得行くものが出来そうだったこともあり、小林エグゼクティブプロデューサーからGOサインが出た形でした。
北林:私と開発で最初は進めていたのですが、途中から平林さんがプロジェクトに入れることになったことは、ありがたかったですね。
彼は原作である『リメイク版 バイオハザード』の開発にタッチしていて、その後も『バイオハザード6』のプロデュースをはじめ『バイオハザード』シリーズに深く関わっていますし、今回も中心となって動いてくれました。

――今回のHD化にあたり、意識した部分はどういったところでしょう?
平林:リメイク版は、1,000カット以上の場面があるのですが、単純に画面をキレイにするのではなく、原作の空気感を大事にすることを心がけました。
北林:単純にキレイにするだけであれば、ハードのスペックをもってすれば、簡単にできるんですが…
平林:“ホラー”として独特の闇や古い洋館の雰囲気などの空気感を再現するには、単純にキレイにするだけではダメなんですね。
たとえば、リメイク版では画面にノイズがかかっているんです。
そのノイズには“心のざわつき”や“不安感”をあおる効果もあって、意図的に入れており、そういったノイズも、ハイレゾ化に合わせて調整して入れています。
北林:サウンドに関しても、HD化しています。
通常、サウンドや効果音は、作成した音データを圧縮してゲームに落とし込むんですが、今回はゲームキューブに入れ込む前、圧縮前の状態の元音源を使い、ハイレゾ化しています。
平林:元音源も2チャンネルで構成されているのですが、それを分解して、5.1chのサラウンドで再構築・高品質化しています。
『バイオハザード』は謎の“洋館”を探索していくというのも大きな魅力の一つだと思っています。その臨場感をどう出すか、というところに注力して作りました。
――“洋館”といえば、“ドア”の演出も活きていますね。
北林:“そこをカットして飛ばせるようにして、もっとゲームのスピードを上げよう”という意見も、開発内ではあったんです。
平林:ありましたね~。
――え、そうなんですか!?
平林:「オプションでドアをサクサク抜けるモードも付けよう」という意見もあったんです。
ただ、やはりドアのタメは大切な部分なので、原作の体験をキチンと伝えるためにも、そういったモードは設定しませんでした。
北林:『バイオハザード』を遊んだときに必ず感じる恐怖体験、その“体験のHD化”がテーマとしてあったので、そこはブレずに行きました。
――“体験のHD化”! 良い言葉ですね!!

■それぞれのバイオ体験

――お二人は、『バイオハザード』の体験で、印象に残っていることはありますか?
平林:最初にプレイしたのは、学生のとき、『バイオハザード2』が初めてでした。
最初は「そんなに怖くはないだろう」と、せめて臨場感を上げようと部屋の電気を消してプレイしていたんですが、あまりの怖さに、途中で電気を点けてしまいました。
その時“ゲームに負けた!”と、敗北感を覚えましたね(笑)。
北林:一番最初の『バイオハザード』を作っているとき、私は隣で『ブレス オブ ファイアIII』のプログラムを打っていました(笑)。
全然畑が違ったので、なんかスゴイもの作ってるなあ、というのが印象でしたね。
ボクはバイオに比べれば“ぽかぽか(※1)”タイトル(?)を中心に作っていたんですが、その後、『バイオハザード0』のリアルタイムデモにプログラムで参加することになって、そこで平林さんと組むことになって。
平林:私はデザイナーとして『バイオハザード0』のリアルタイムデモを担当していたので、北林さんとはそこで初めて一緒に仕事をしました(笑)。
――平林さんが、バイオハザード制作に初めてタッチしたのはいつですか?
平林:私は2001年入社で、最初の仕事は『リメイク版 バイオハザード』のゾンビのモデリングでした。
洋館の裏のゾンビとフォレストゾンビが、初担当業務です。
フォレストゾンビについては、後に爆弾ゾンビとなりけっこう死ぬポイントになるゾンビなので、皆さんの恨みを買っているかもしれません…(笑)。
実はフォレストゾンビって爆弾を背負わせる予定ではなかったんです。
制作途中で爆弾を付ける仕様が追加されたのですが、インパクトありましたね。
北林:その後、ボクは“ぽかぽか”タイトルと“ホラー”なタイトルを往復することになりました。
平林:私の軸足は『バイオハザード』シリーズで、ほかのタイトルをやってもまた戻ってくるイメージでした。
この『HDリマスター』の仕事が、入社して12年後にスタートしたので、ちょうどリメイク版が下敷きなのもあり、干支が一周した感じです。
――平林プロデューサーは、干支の単位が『バイオハザード』なんですね(笑)。

■おすすめポイント

――“体験をHD化”の部分で、ほかにこだわった部分はありますか?
平林:今回は、イーカプコン限定の「コレクターズ・パッケージ」も、より深いバイオ体験を意識して作りましたね。
“洋館が主役”という部分を考えて、G・トレヴァー作の洋館の設計図、そして洋館のアートガイドブック。
そして、“S.T.A.R.S.”結成を記念してラクーン市警が制作した手帳セット。
これも含めて、“体験をHD化”というところを体感できるように作っています。
もしかしたらこの記事が出た時点では売り切れているかもしれませんが、バイオファンには絶対にオススメの内容になっています。

――では最後に、読者に一言、お願いいたします。
平林:リメイク版の原作を知った方でも、充分に楽しめるHD化を目指しました。サバイバルホラーの原点を、ぜひ体験してみてください。
北林:単なる移植ではない、“恐怖体験のHD化”という部分で、最初に手に取って遊ぶ方も、一度遊ばれた方も、どちらも楽しめる内容になったと思います。
原作版の開発者が込めた熱量、それに勝るとも劣らない熱量を込めたモノになりました。
ぜひ遊んでみてください。
平林:開発中、“そこまでやるの?”という時が何度もあって、“いや、やるしかない”と進みましたから。
北林:ホント、何度ギブアップしかけたことか。
――(笑)ありがとうございました!

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