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Famitsu interview with Shinji Mikami (September 2001)

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Famitsu held an exclusive interview with Shinji Mikami in September 2001, published on their website in two parts.

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Hamamura Famitsu (herinafter "Hamamura"): さっそくお話を聞かせていただきたいんですが。キューブの『バイオ』の映像を見たんですけれども、これはすごいですね。ぜんぜん違いますよ。

Shinji Mikami (herinafter "Mikami"): Compared with the PlayStation version of "1", I suppose it is quite different.
Hamamura:  プレイステーションから、『コード:ベロニカ』になったときは「すごいなぁ」と思ったけれども、ビックリするほどではなかったんですよ。けれど今回、キューブ版を見たとき、ものすごく驚きました。発表会では"生(なま)感"とおっしゃってたじゃないですか。

Mikami:  ええ。

Hamamura:  その生感というのがすごく伝わってくる気がします。とくに動いている映像を見ると。ゾンビの目や口が動いていたり。回転するファンに合わせて、光が揺らめいているところとか。あと僕が気に入っているのが……。

Mikami:  どこですか?

Hamamura:  床のジメジメとした感じ。

Mikami:  それは『バイオハザード 3』から開発に携わっている背景スタッフがいるんですけれど、その彼がメインでやっているんです。

Hamamura:  そうなんですか。

Mikami:  彼の持ち味が今回すごーく前に出ていまして。光と闇のコントラストというメリハリの中で、刺激的な映像を作ることが得意なクリエイターなんです。

Hamamura:  この質感は、すごいですね。ゾンビも、さっきも言ったんですけれど、うにゃうにゃっとした感じが、じつによく出ていますね。

Mikami:  これもね、そういうのがすごく好きなスタッフがいて。ホラー写真集を広げながら、サンドイッチを食うようなヤツが……。

Hamamura:  Hahahaha (laughs)。

Mikami:  『バイオ』はやっぱりゾンビなので、こだわって何度も作り直しました。採用しなかったんですけれど、内臓まで立体で着脱可能なゾンビを作ったヤツが、ニコニコしながら「三上さんチェックお願いします」って来るんですよ。

Hamamura:  Hahahaha (laughs)。

Mikami:  でも一発でボツ。これはやりすぎだよって。あとは、ゾンビの服の質感を出すのに苦労しました。最初はモニター上で直接作っていくんですけれども、なかな生っぽい映像にならないんですよ。結局、布の生地を買ってきて、公園でドロや血のり付けて、汚して。それを撮り込んで、それからフィニッシュかけて仕上げたんですよ。

Hamamura:  へぇ~、そうなんですか。

Mikami:  ハイテクな感じがするんですけれども、意外と地味な作業で (laughs)。

Hamamura:  Hahahaha (laughs)。

Mikami:  自分自身もやらされましたしね。布の垂れ具合とか質感のチェック。「三上さん、ちょっとちょっと」って呼ばれて。白いシャツ着させられて、「シャツこっちだけ中入れて、こっちは出して」、「胸元は開けて、腕は伸ばして」とか。で、「はいオーケーです」とか言われて……。

Hamamura:  Hahahaha (laughs)。技術としてすごいものもたしかにあるんですけれども、そういう手作りな感じがさらに功を奏してるんですね。

Mikami:  そう、手作り感ですよね。

 

●ただきれいなだけの映像よりも、臨場感のある"空気感"を
 

Hamamura:  森で草木がさわさわと揺れている場面があるじゃないですか。あの雰囲気は、いままでになかったものですよね。

Mikami:  That's right. 背景動画なんですけれども。ふつうにやると臨場感を出すときに、まず雨や土煙。

Hamamura:  はい。

Mikami:  でも、もっと違うアプローチのしかたがあるんじゃないのっかって。じつは『4』用に作った実験映像で、すでにいろいろとやっていたんですよ。ひとつの要素で臨場感を出すのではなく、もっと草木とかいろいろなものを含めて、トータルで臨場感を出そうって。

Hamamura:  なるほど。

Mikami:  それにふさわしいシチュエーション……やっぱり新ステージが欲しいじゃないですか。しかも今回、生感という、臨場感よりもさらに上を表現するときに、洋館の内部だけでは見せづらいので。外のフィールドを用意して。じつはこんな裏道があって、その先に○○○があって、そこで変な化け物が出てくるぞ、みたいな。

Hamamura:  え、そうなんですか!?

Mikami:  はい。あとは生感というこで、空気感をどう出すかで……。

Hamamura:  空気感ですか。

Mikami:  きれいな映像を作るだけだったら、もっとクオリティーを上げられるんです。ですが、あえてそこを犠牲にしてでも、空気感を出したいと。北野武さんがテレビで言ってたんですけれど、「やっぱり映像でも撮りにくいのが、空気感なんだよ」って。

Hamamura:  Oh, yeah.

Mikami:  夏の暑いときって、どうしても地面から立ち上る蒸気とか、汗とか、水の水滴とか、そういうところでしか暑さを感じさせられないじゃないですか。それはゲームでも難しいんですけれども、ゲームはまだ違うアプローチがあって。最初はきれいな感じで作っていたんです。でもね、きれいなんですけれど、絵が死んでいる……。

Hamamura:  ああ、無機質な感じ。

Mikami:  そうなんですよ。きれいすぎると、リアルタイムで何かか起こる感じがしないんです。絵が止まっていて、時間止まってるような感じがするんですね。

Hamamura:  Oh, yeah.

Mikami:  これはまずいなって、スタッフが工夫して。最初はノイズかけたら、汚いだけだったんですよ。最近ですよね。見せられるクオリティーになってきたのは。

Hamamura:  あ、わかりますね。ファンが回って光が揺れてる場所があるじゃないですか。あそこを見てると、地面が湿ってて空気が滞留してる感じを受けるんですよね。なんとなく気持ち悪いな~っていう圧迫感があるような。森なんかは、草木がつねに動いていて、霧がかかっていて、どこかに生物が潜んでいそうな雰囲気を受けますし。

Mikami:  そこらへんは、やっぱりホラーエンターテンメントとして、絵的にこだわっている部分で
すね。


●もういちど楽しめるように攻略ルートを変更

Hamamura:  洋館は、中の配置が変わっていたりするんですか?

Mikami:  基本的には、洋館の中の配置はほとんどいっしょですが、攻略ルートに関しては変えています。

Hamamura:  ほぅ。

Mikami:  シナリオのつじつまがあわないところがあるじゃないですか。たとえば、バリーは何をしても知らないうちに死んでしまう。そこらへんは、自分がやっぱり努力した証に、結果が少しでも変わるようにしたいですし。因果関係がはっきりとわかるように、シナリオを明確にする予定です。

Hamamura:  グラフィック的に見ても、まったく新しいゲームをやるような感覚があるじゃないですか。そのうえ、攻略ルートも変わるんだ。

Mikami:  That's right. Gimmicks. 70% is changing.

Hamamura:  そこまでいじってるんだ。

Mikami:  解きかたがわかっていると、その時点で、あんまりサバイバルって感じがしなくなりますからね。

Hamamura:  なるほどね。そうすると、もう新作に近い感じですよね。

Mikami:  That's right. だからあえてリメイクみたいな意識で作るのはやめようよ、って言ってるんです。

Hamamura:  Oh, yeah.

Mikami:  The title logo changed, too.

Hamamura:  The logo - changed, eh?

●『バイオハザード 4』は、ガラリと変わります
 

Hamamura: 通信(以下、Hamamura: ) Will "2", "3" and "Veronica" be ported?

Mikami: 真司(以下、Mikami: ) The three titles will be ported. 作りなおすと、『4』がなかなか出せなくなっちゃうので。ユーザーが本当に待ち望んでるのは『4』だと思うんですよ。そこはガマンしてもらおうかな、と。

Hamamura:  Oh, yeah.That's right.

Mikami:  『4』は、かなり大きく変わります。少なくともホラーとしての『バイオ』は『1』であって、『2』や『3』というのはホラーとはちょっと違いますよね。『4』では、新しい恐怖へと作り直します。ストーリーとか世界観とか、出てきたキャラクターというのは、多少は、つなぎながら。どれだけつながるかというのは、『4』のディレクターしだいですね。

Hamamura:  [Who is] The director of "4"?

Mikami:  ウチの隠し玉です。The Director is hidden. He's really blessed. じっくりと企画を考える時間がありますから。『4』は、万全を期したいなぁって思っています。

Hamamura:  そうですか。もうほんとに奇しくも宮本さんが言ってましたけれど、クラフトマンシップってやつですよね。職人としてのこだわりがすごく感じられますね。
 

●『バイオハザード 0』は、どうなるのか?
 

Hamamura:  『0』の話なんですけれども、発表会で出ませんでしたよね?

Mikami:  そうです、それ! 発表会で言い忘れちゃったんです(苦笑)。

Hamamura:  そうなんですか (laughs)。出るんですよね? "1", "0", "2", "3", "Veronica", "4" in order.

Mikami:  出ます。しかも、『1』から近いタイミングで出ます。『1』から1年は待たせないと思いますよ。

Hamamura:  Is that so. Heh.

Mikami:  『0』はいいですよ。列車からスタートするので、背景がすごく動画映えするんですよ。つねに動いているから、生感バッチリで。テーブルの上のグラスが揺れるんですよ、コロコロ、コロコロって。テーブルにかかっている布は、列車の動きに合わせてヒラヒラと。で、トンネル入ると……。

Hamamura:  ああ、室内が暗くなって、窓からトンネルの明かりが、パーッ、パーッって入ってくるんだ。

Mikami:  そうそう。そんなところにゾンビが、「ウェ~ッ」って現われて。

Hamamura:  うわ~。

Mikami:  システム的にも、いままでの『バイオ』とは違って、『スウィート』っぽいシステムを乗せてます。

Hamamura:  "Sweet Home"?

Mikami:  キャラチェンジを頻繁にしながら進めていきますので、遊びとしても若干変わってくると思います。

Hamamura:  ああ、なるほどね。
 

●シリーズがつぎつぎと発売されていく
 

Hamamura:  近い範囲で『1』、『0』が出て。Assuming "2", "3" and "Veronica" are ported, will you release them in quick succession? 『4』の発売日がいつになるかというのではなくて、『1』から『4』までのスパンは、3年なのか、5年なのか……?

Mikami:  Ah, Hamamura-san!!  そういう攻めかたがあったか(苦笑)。Y-years!?

Hamamura:  ○年って、すごいですよ!!

Mikami:  全部買ってくださいと言うつもりはなくて。店頭にシリーズがいつも並んでいて、欲しいときに買えたらうれしいですね。タイミングよく『4』が出るまえに揃えたい。それは、○年くらいかな。
 

●新プロジェクトの正体とは……!?
 

Hamamura:  ちょっと『バイオ』から離れるんですけども、9月に新プロジェクトがスタートすると、発表会でちらっと出ましたよね。

Mikami:  まだディレクターを決めただけの状態なんですけどね。

Hamamura:  あ、そうなんですか?

Mikami:  『ベロニカ』でディレクターをやった加藤なんですけれども。好きに作っていいからって。

Hamamura:  そんな感じなんですか?

Mikami:  うん。大作になってもいいから、自由に作っていいよって。

Hamamura:  もう職人ですね。三上さんのところは、コンコン、コンコンって作っていく職人集団ですね。

Mikami:  自分たちで若手を育てていかないといけませんからね。
 

●Why did you choose GameCube!?
 

Hamamura:  キューブの話を聞かせてほしいんですけども。発表会では、ひとつのマシンを持っていれば全部が遊べるようにしたかった、とおっしゃってましたけれど。 What are the reasons for choosing the Cube?

Mikami:  ハードでキューブを選んだというよりは、任天堂さんや、宮本さんのゲームに対する考えかたに、すごく通ずるものがあったというのが最大の理由ですね。ある意味同じゲームクリエイターとしての、ゲーム職人としての共鳴する部分が強くあったという。

Hamamura:  おふたりが同じことを言ってましたよね。見て楽しいだけではなく、触って楽しいものがゲームなんだって、力説してました。

Mikami:  僕はゲームとしての究極の姿って、試行錯誤の最後の最後にできるものかもしれないんですけれど、じつはいちばん最初に究極があった、という考えなんですよね。で、それを突き詰めるだけの話で、それがいま、見た目重視に変わってきて、触っておもしろいところは、どこか軽んじられてきたような気がしているんですよ。

Hamamura:  なるほど。パッと見、『バイオハザード』というのは映画的なゲームに見られがちだけれども、じっさいに遊んでみるとすごくゲームっぽいですよね。

Mikami:  そうです。だから、ひとことで言うとホラーは"見て恐い"。でもゲームでは"身構える恐さ"。『1』のコンセプトで言えば、映画ではなくゲームでしか体験できないものがあるから、世に送り出す価値があるんだ、という。

Hamamura:  Oh, yeah.

Mikami:  キューブには、本当にゲームをしたい人だけが集まってくるじゃないですか。そこへ満足できるものを供給していきたいですよね。その中で、キャッチボールを楽しみたいですね。作り手側とユーザーとで。だから長い目で見て、5年後10年後に、やっぱりカプコンってゲームにこだわっている。良質なものを提供し続けてきたよね、と。信頼できるメーカーだよねって、ユーザーに言ってもらえたら、これは二重丸でしょうね。

Hamamura:  しっかりゲームをやる人たちと、いっしょに進んでいくんだ。

Mikami:  それまでに倒れてしまったら「はい、それまでよ」って (laughs)。

Hamamura:  Hahahaha (laughs)。

Mikami:  それは世の中に「いらん」って言われてるんだから、しゃあないやんっていう。

Hamamura:  そうですよね。でも会社としては、かなり大きな決断だったと思うんですけれども……?
Mikami:  う~ん (laughs)。でも僕の経営は数字を弾くことではなく、より大きな満足をまず作って、それを多くの人と共有することだと思ってるんですよ。それに対してどれだけベストアプローチできるか、より大きな満足、より大くの人にって考えたときに、僕らが提供できるのはやっぱり任天堂マーケットじゃないのかな、という。

Hamamura:  まさしく説得力ありますね。

Mikami:  そこで、もう経営判断としては「GO!」なんですよ。売れる、売れないというのは、結果はあとからついてくるものだと思いますから。僕らはエンターテナーなんで、ユーザーの満足するものをどれだけたくさん作れるか。それが可能ないちばんいいところを選んだら、キューブになった。これは、僕にとっては、すごくあたりまえのことなんですよね。だから計算してないわけではないんです。

Hamamura:  うん。たくさんの人に楽しんでもらえれば、それはゲームとしての成功ですよね。

Mikami:  けっこうあとからついてくるものなので、それでダメだったら、おまえの作るゲームはダメだったんだよって、それだけですよ。満足じゃなかったんだよって。

Hamamura:  めっちゃカッコイイこと言ってますよ、いま。

Mikami:  うん (laughs)。会社入ったときも、基本的にはそうでしたからね。やりたいことをやって、ベスト尽くして、それでも「おまえ、いらん」って言われたのなら、もうクビでいいやって。だから上にも盾突けるし、カプコンもマルチプラットフォームやってる中で……。

Hamamura:  そうですよね (laughs)。

Mikami:  それを許してくれる辻本憲三という人の器の広さに惚れて、カプコンという会社に入って、本当によかったなって思いますね。

Hamamura:  うん、That's right.

Mikami:  お咎めナシですよ。クリエイターがやりたいって言ってるんだったら、しょうがないねぇって。

Hamamura:  すばらしいですよ、それは。

Mikami:  そこに、カプコンから活きのいいゲームが産まれてくる理由があるんじゃないでしょうか。
Hamamura:  そうなんでしょうね。最近とくにそう思います。カプコンの元気のよさをつくづく感じますよ。これからも職人として、触っておもしろいゲームを作り続けてください。『バイオハザード』シリーズ、楽しみにしています。

浜村通信(以下、浜村) さっそくお話を聞かせていただきたいんですが。キューブの『バイオ』の映像を見たんですけれども、これはすごいですね。ぜんぜん違いますよ。

三上真司(以下、三上) プレイステーション版の『1』と比べると、かなり違うでしょうね。
浜村 プレイステーションから、『コード:ベロニカ』になったときは「すごいなぁ」と思ったけれども、ビックリするほどではなかったんですよ。けれど今回、キューブ版を見たとき、ものすごく驚きました。発表会では"生(なま)感"とおっしゃってたじゃないですか。

三上 ええ。

浜村 その生感というのがすごく伝わってくる気がします。とくに動いている映像を見ると。ゾンビの目や口が動いていたり。回転するファンに合わせて、光が揺らめいているところとか。あと僕が気に入っているのが……。

三上 どこですか?

浜村 床のジメジメとした感じ。

三上 それは『バイオハザード 3』から開発に携わっている背景スタッフがいるんですけれど、その彼がメインでやっているんです。

浜村 そうなんですか。

三上 彼の持ち味が今回すごーく前に出ていまして。光と闇のコントラストというメリハリの中で、刺激的な映像を作ることが得意なクリエイターなんです。

浜村 この質感は、すごいですね。ゾンビも、さっきも言ったんですけれど、うにゃうにゃっとした感じが、じつによく出ていますね。

三上 これもね、そういうのがすごく好きなスタッフがいて。ホラー写真集を広げながら、サンドイッチを食うようなヤツが……。

浜村 はははは(笑)。

三上 『バイオ』はやっぱりゾンビなので、こだわって何度も作り直しました。採用しなかったんですけれど、内臓まで立体で着脱可能なゾンビを作ったヤツが、ニコニコしながら「三上さんチェックお願いします」って来るんですよ。

浜村 はははは(笑)。

三上 でも一発でボツ。これはやりすぎだよって。あとは、ゾンビの服の質感を出すのに苦労しました。最初はモニター上で直接作っていくんですけれども、なかな生っぽい映像にならないんですよ。結局、布の生地を買ってきて、公園でドロや血のり付けて、汚して。それを撮り込んで、それからフィニッシュかけて仕上げたんですよ。

浜村 へぇ~、そうなんですか。

三上 ハイテクな感じがするんですけれども、意外と地味な作業で(笑)。

浜村 はははは(笑)。

三上 自分自身もやらされましたしね。布の垂れ具合とか質感のチェック。「三上さん、ちょっとちょっと」って呼ばれて。白いシャツ着させられて、「シャツこっちだけ中入れて、こっちは出して」、「胸元は開けて、腕は伸ばして」とか。で、「はいオーケーです」とか言われて……。

浜村 はははは(笑)。技術としてすごいものもたしかにあるんですけれども、そういう手作りな感じがさらに功を奏してるんですね。

三上 そう、手作り感ですよね。

 

●ただきれいなだけの映像よりも、臨場感のある"空気感"を
 

浜村 森で草木がさわさわと揺れている場面があるじゃないですか。あの雰囲気は、いままでになかったものですよね。

三上 そうですね。背景動画なんですけれども。ふつうにやると臨場感を出すときに、まず雨や土煙。

浜村 はい。

三上 でも、もっと違うアプローチのしかたがあるんじゃないのっかって。じつは『4』用に作った実験映像で、すでにいろいろとやっていたんですよ。ひとつの要素で臨場感を出すのではなく、もっと草木とかいろいろなものを含めて、トータルで臨場感を出そうって。

浜村 なるほど。

三上 それにふさわしいシチュエーション……やっぱり新ステージが欲しいじゃないですか。しかも今回、生感という、臨場感よりもさらに上を表現するときに、洋館の内部だけでは見せづらいので。外のフィールドを用意して。じつはこんな裏道があって、その先に○○○があって、そこで変な化け物が出てくるぞ、みたいな。

浜村 え、そうなんですか!?

三上 はい。あとは生感というこで、空気感をどう出すかで……。

浜村 空気感ですか。

三上 きれいな映像を作るだけだったら、もっとクオリティーを上げられるんです。ですが、あえてそこを犠牲にしてでも、空気感を出したいと。北野武さんがテレビで言ってたんですけれど、「やっぱり映像でも撮りにくいのが、空気感なんだよ」って。

浜村 うんうん。

三上 夏の暑いときって、どうしても地面から立ち上る蒸気とか、汗とか、水の水滴とか、そういうところでしか暑さを感じさせられないじゃないですか。それはゲームでも難しいんですけれども、ゲームはまだ違うアプローチがあって。最初はきれいな感じで作っていたんです。でもね、きれいなんですけれど、絵が死んでいる……。

浜村 ああ、無機質な感じ。

三上 そうなんですよ。きれいすぎると、リアルタイムで何かか起こる感じがしないんです。絵が止まっていて、時間止まってるような感じがするんですね。

浜村 うんうん。

三上 これはまずいなって、スタッフが工夫して。最初はノイズかけたら、汚いだけだったんですよ。最近ですよね。見せられるクオリティーになってきたのは。

浜村 あ、わかりますね。ファンが回って光が揺れてる場所があるじゃないですか。あそこを見てると、地面が湿ってて空気が滞留してる感じを受けるんですよね。なんとなく気持ち悪いな~っていう圧迫感があるような。森なんかは、草木がつねに動いていて、霧がかかっていて、どこかに生物が潜んでいそうな雰囲気を受けますし。

三上 そこらへんは、やっぱりホラーエンターテンメントとして、絵的にこだわっている部分で
すね。


●もういちど楽しめるように攻略ルートを変更

浜村 洋館は、中の配置が変わっていたりするんですか?

三上 基本的には、洋館の中の配置はほとんどいっしょですが、攻略ルートに関しては変えています。

浜村 ほぅ。

三上 シナリオのつじつまがあわないところがあるじゃないですか。たとえば、バリーは何をしても知らないうちに死んでしまう。そこらへんは、自分がやっぱり努力した証に、結果が少しでも変わるようにしたいですし。因果関係がはっきりとわかるように、シナリオを明確にする予定です。

浜村 グラフィック的に見ても、まったく新しいゲームをやるような感覚があるじゃないですか。そのうえ、攻略ルートも変わるんだ。

三上 そうですね。仕掛けは、7割は変えています。

浜村 そこまでいじってるんだ。

三上 解きかたがわかっていると、その時点で、あんまりサバイバルって感じがしなくなりますからね。

浜村 なるほどね。そうすると、もう新作に近い感じですよね。

三上 そうですね。だからあえてリメイクみたいな意識で作るのはやめようよ、って言ってるんです。

浜村 うんうん。

三上 タイトルロゴも変えて。

浜村 ロゴ、変わりましたよね。

●『バイオハザード 4』は、ガラリと変わります
 

浜村通信(以下、浜村) 『2』、『3』、『ベロニカ』というのは、移植になるんですか?

三上真司(以下、三上) その3タイトルは移植になります。作りなおすと、『4』がなかなか出せなくなっちゃうので。ユーザーが本当に待ち望んでるのは『4』だと思うんですよ。そこはガマンしてもらおうかな、と。

浜村 うんうん。そうですね。

三上 『4』は、かなり大きく変わります。少なくともホラーとしての『バイオ』は『1』であって、『2』や『3』というのはホラーとはちょっと違いますよね。『4』では、新しい恐怖へと作り直します。ストーリーとか世界観とか、出てきたキャラクターというのは、多少は、つなぎながら。どれだけつながるかというのは、『4』のディレクターしだいですね。

浜村 『4』のディレクターは?

三上 ウチの隠し玉です。隠しディレクターです(笑)。彼はすごく恵まれてますよ。じっくりと企画を考える時間がありますから。『4』は、万全を期したいなぁって思っています。

浜村 そうですか。もうほんとに奇しくも宮本さんが言ってましたけれど、クラフトマンシップってやつですよね。職人としてのこだわりがすごく感じられますね。
 

●『バイオハザード 0』は、どうなるのか?
 

浜村 『0』の話なんですけれども、発表会で出ませんでしたよね?

三上 そうです、それ! 発表会で言い忘れちゃったんです(苦笑)。

浜村 そうなんですか(笑)。出るんですよね? 『1』、『0』、『2』、『3』、『ベロニカ』、『4』の順で。

三上 出ます。しかも、『1』から近いタイミングで出ます。『1』から1年は待たせないと思いますよ。

浜村 そうなんですか。へぇ~。

三上 『0』はいいですよ。列車からスタートするので、背景がすごく動画映えするんですよ。つねに動いているから、生感バッチリで。テーブルの上のグラスが揺れるんですよ、コロコロ、コロコロって。テーブルにかかっている布は、列車の動きに合わせてヒラヒラと。で、トンネル入ると……。

浜村 ああ、室内が暗くなって、窓からトンネルの明かりが、パーッ、パーッって入ってくるんだ。

三上 そうそう。そんなところにゾンビが、「ウェ~ッ」って現われて。

浜村 うわ~。

三上 システム的にも、いままでの『バイオ』とは違って、『スウィート』っぽいシステムを乗せてます。

浜村 『スウィートホーム』ですか?

三上 キャラチェンジを頻繁にしながら進めていきますので、遊びとしても若干変わってくると思います。

浜村 ああ、なるほどね。
 

●シリーズがつぎつぎと発売されていく
 

浜村 近い範囲で『1』、『0』が出て。『2』、『3』、『ベロニカ』は移植だとすると、立て続けに発売されるんですか? 『4』の発売日がいつになるかというのではなくて、『1』から『4』までのスパンは、3年なのか、5年なのか……?

三上 あぁ~、浜村さん!! そういう攻めかたがあったか(苦笑)。ん~、○年!?

浜村 ○年って、すごいですよ!!

三上 全部買ってくださいと言うつもりはなくて。店頭にシリーズがいつも並んでいて、欲しいときに買えたらうれしいですね。タイミングよく『4』が出るまえに揃えたい。それは、○年くらいかな。
 

●新プロジェクトの正体とは……!?
 

浜村 ちょっと『バイオ』から離れるんですけども、9月に新プロジェクトがスタートすると、発表会でちらっと出ましたよね。

三上 まだディレクターを決めただけの状態なんですけどね。

浜村 あ、そうなんですか?

三上 『ベロニカ』でディレクターをやった加藤なんですけれども。好きに作っていいからって。

浜村 そんな感じなんですか?

三上 うん。大作になってもいいから、自由に作っていいよって。

浜村 もう職人ですね。三上さんのところは、コンコン、コンコンって作っていく職人集団ですね。

三上 自分たちで若手を育てていかないといけませんからね。
 

●ゲームキューブを選んだ理由は!?
 

浜村 キューブの話を聞かせてほしいんですけども。発表会では、ひとつのマシンを持っていれば全部が遊べるようにしたかった、とおっしゃってましたけれど。キューブを選んだ理由は何ですか?

三上 ハードでキューブを選んだというよりは、任天堂さんや、宮本さんのゲームに対する考えかたに、すごく通ずるものがあったというのが最大の理由ですね。ある意味同じゲームクリエイターとしての、ゲーム職人としての共鳴する部分が強くあったという。

浜村 おふたりが同じことを言ってましたよね。見て楽しいだけではなく、触って楽しいものがゲームなんだって、力説してました。

三上 僕はゲームとしての究極の姿って、試行錯誤の最後の最後にできるものかもしれないんですけれど、じつはいちばん最初に究極があった、という考えなんですよね。で、それを突き詰めるだけの話で、それがいま、見た目重視に変わってきて、触っておもしろいところは、どこか軽んじられてきたような気がしているんですよ。

浜村 なるほど。パッと見、『バイオハザード』というのは映画的なゲームに見られがちだけれども、じっさいに遊んでみるとすごくゲームっぽいですよね。

三上 そうです。だから、ひとことで言うとホラーは"見て恐い"。でもゲームでは"身構える恐さ"。『1』のコンセプトで言えば、映画ではなくゲームでしか体験できないものがあるから、世に送り出す価値があるんだ、という。

浜村 うんうん。

三上 キューブには、本当にゲームをしたい人だけが集まってくるじゃないですか。そこへ満足できるものを供給していきたいですよね。その中で、キャッチボールを楽しみたいですね。作り手側とユーザーとで。だから長い目で見て、5年後10年後に、やっぱりカプコンってゲームにこだわっている。良質なものを提供し続けてきたよね、と。信頼できるメーカーだよねって、ユーザーに言ってもらえたら、これは二重丸でしょうね。

浜村 しっかりゲームをやる人たちと、いっしょに進んでいくんだ。

三上 それまでに倒れてしまったら「はい、それまでよ」って(笑)。

浜村 はははは(笑)。

三上 それは世の中に「いらん」って言われてるんだから、しゃあないやんっていう。

浜村 そうですよね。でも会社としては、かなり大きな決断だったと思うんですけれども……?
三上 う~ん(笑)。でも僕の経営は数字を弾くことではなく、より大きな満足をまず作って、それを多くの人と共有することだと思ってるんですよ。それに対してどれだけベストアプローチできるか、より大きな満足、より大くの人にって考えたときに、僕らが提供できるのはやっぱり任天堂マーケットじゃないのかな、という。

浜村 まさしく説得力ありますね。

三上 そこで、もう経営判断としては「GO!」なんですよ。売れる、売れないというのは、結果はあとからついてくるものだと思いますから。僕らはエンターテナーなんで、ユーザーの満足するものをどれだけたくさん作れるか。それが可能ないちばんいいところを選んだら、キューブになった。これは、僕にとっては、すごくあたりまえのことなんですよね。だから計算してないわけではないんです。

浜村 うん。たくさんの人に楽しんでもらえれば、それはゲームとしての成功ですよね。

三上 けっこうあとからついてくるものなので、それでダメだったら、おまえの作るゲームはダメだったんだよって、それだけですよ。満足じゃなかったんだよって。

浜村 めっちゃカッコイイこと言ってますよ、いま。

三上 うん(笑)。会社入ったときも、基本的にはそうでしたからね。やりたいことをやって、ベスト尽くして、それでも「おまえ、いらん」って言われたのなら、もうクビでいいやって。だから上にも盾突けるし、カプコンもマルチプラットフォームやってる中で……。

浜村 そうですよね(笑)。

三上 それを許してくれる辻本憲三という人の器の広さに惚れて、カプコンという会社に入って、本当によかったなって思いますね。

浜村 うん、そうですね。

三上 お咎めナシですよ。クリエイターがやりたいって言ってるんだったら、しょうがないねぇって。

浜村 すばらしいですよ、それは。

三上 そこに、カプコンから活きのいいゲームが産まれてくる理由があるんじゃないでしょうか。
浜村 そうなんでしょうね。最近とくにそう思います。カプコンの元気のよさをつくづく感じますよ。これからも職人として、触っておもしろいゲームを作り続けてください。『バイオハザード』シリーズ、楽しみにしています。

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